ビスケットファシリテータ Vol.3 中山佑梨子 様:「ビジュアルプログラミング言語 Viscuit(ビスケット)」が担う役割とは

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Viscuit(ビスケット)」とは「誰でもプログラミングを体験してコンピュータの本質が理解できる」をコンセプトとしたビジュアルプログラミング言語です。文部科学省による小中学校の学習指導要領改訂案に新たに盛り込まれた「プログラミング的思考」を育む、を目的とした2020年からの小学校での「プログラミング教育の必修化」を受け、ますますビスケットへの注目が高まっております。

また2017年4月にはビスケットは総務省の補正予算「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」にも採択され、普段より児童向けにビスケットファシリテータとしてワークショップ開催の経験のあるメンバーが、選定された各学校を周り、プログラミングを指導できる「メンター」の育成に携わるなど今後の活動の幅を拡げています。今回は、その全国で活躍されるファシリテータの方々をシリーズ通してご紹介いたします。

弊社、ASUS JAPAN株式会社は全国でビスケットワークショップを行うためのデモ操作端末として10.1型のWindows 2-in-1ノートPCの ASUS TransBook T101HA が採用され、合同会社デジタルポケット様、ビスケットファシリテータの方々をICT機器の面からサポートしております。今後も弊社は合同会社デジタルポケット様とともに2020年からの小学校での「プログラミング教育の必修化」に向けて引き続き各種支援活動を行います。

ASUS JAPAN株式会社
営業統括本部
新規事業戦略チーム


 

ー ビスケットファシリテータとして活動し始めたきっかけについて教えてください。

中山佑梨子さん。普段は神奈川県茅ヶ崎市にある香川富士見丘幼稚園で教諭を務める。現在はビスケットを中心に園内のデジタルワーク部分を中心に担当。

私は香川富士見丘幼稚園で働き始めて5年目になる教諭です。そもそものきっかけは当園の園長である鈴木園長がこれからの時代に向けた新しい学びを園内に取り入れることを目的として、いろいろ模索していたところ、ビスケットに出会いました。ビスケットはビジュアルプログラミング言語でできていて、幼児でも楽しみながらプログラミングを学べることが特徴だったこともあり、園児にとって必ずためになると確信されたそうです。そしてビスケットの開発・運営元であるデジタルポケット社が実施している「ビスケットファシリテータ講習」に園長自ら受講し、ビスケットの概要やワークショップの実施方法、プログラミングの本質について学ばれました。

その際、ビスケットの生みの親である原田博士がビスケットを授業で取り入れてくれる幼稚園を探していたこともあり、園長が本格的にビスケットを授業内に取り入れることを原田博士と合意。そして園内におけるビスケットファシリテータの数を増員して準備を進めることになりました。そこで私含め複数人の教諭が園内のファシリテータ受講者としてアサインされた、という背景です。

園内におけるビスケットの授業は2015年11月から開始されました。当初、私はビスケットの授業を園児向けに行いながら、1人1人の作品管理や活動記録をビデオに残したりしていました。また園児全体の補助業務を行っていた経緯もあり、パソコンで親御さん向けお便りの作成やイベント行事に撮影した写真の編集など、並行で園内のさまざまなパソコン業務に携わる機会が増えていました。今では幼稚園のホームページの更新作業も担当させていただくなど、ビスケット含む園内におけるデジタル部分を担当させていただいております。

 

ー 園児がビスケットに関われる時間はどれぐらいありますか?

園児向けに年長さん(5才、6才)を対象に月に2回のペースで授業を実施しています。また当園では園児向けにビスケットを行うだけでなく、卒園児に対してもビスケット環境を提供しています。それがビスケット塾です。ビスケット塾は少額ではありますが有料のサービスとしてご提供していますが、2017年度時点では計46名の卒園児(現小学1年生が26名、小学2年生が20名)が卒園後も当園に足を運んでくれて、ビスケットのワークショップを受けてくれています。

小学校の授業が終わった放課後、1年生は月2回、2年生は月1回のペースでワークショップを開催していますが、現小学2年生が1年生時には35名いた受講者ですが、今では20名に減りました。小学生になって少しずつ他の習い事が増え、ビスケットのワークショップの時間帯が他の習い事とかぶったりしてしまったためです。何に優先度をつけて習い事をさせるかは、各家庭で方針は様々ですが、比較的体を動かす習い事に時間を費やすご家庭が多いように見受けられました。そのような中でも大勢の卒園児がビスケット塾に参加してくれており、とても嬉しいです。

 

ー 授業でビスケットを体験している園児たちの反応について教えてください。

10.1型 Windows 2-in-1ノートPC「ASUS TransBook T101HA」

園児には特にプログラミングという言葉は用いずに「ビスケット」という言葉を普段から用いています。ですので、園児には『ビスケットやるよ!集まれ~』みたいな感じで声掛けしています。皆、毎回こちらに駆け寄ってきてくれますので、ビスケットの授業をとても楽しみにしてくれていることを日々感じます。タブレットに触りなれていない園児でも操作方法はすぐ覚えてくれます。『こどもの吸収力ってすごいな』と感心します。操作方法を覚えた園児はそこからの集中力はすごいです。どんどん自分でいろいろ試しますし、園児はとにかく夢中になります。他の活動(絵を書く、粘土で遊ぶ)が苦手な園児もいたりしますが、そのような園児でも関係なくビスケットを楽しんでいる風景に担任の先生も驚いています。

普通にお絵描きする場合の園児たちの達成感って、もしかしたら自分なりにきれいに描けたか、そうではないかによるものかもしれません。多少枠から色がはみ出ていたり、色のバランスがバラバラでもどんどん絵を描いてもらって、描くことの楽しさを理解してもらいたい想いがあるのですが、中にはそれがうまく伝わりきれない園児もいたりします。ですが、ビスケットの場合は絵を描くことが目的ではなく、描いた絵を動かすことを自分の達成感としている園児が多いようです。だからその段階での絵の完成度は園児にとってそれほど優先度が高くないのだと思います。ぐるぐると何重にも重ね描いた絵を「ブラックホールだよ!」、いろんな色の丸を描いて「惑星だよ!」いろんな色を使って描いています。その自分が描いたブラックホールや惑星がビスケットを用いれば動くのですから、それは園児からしてみれば興奮ものでしょうね。

10.1型のWindows 2-in-1ノートPCの ASUS TransBook T101HA を用いてビスケットを楽しむ園児

ー 「第5回デジタルえほんアワード」において香川富士見丘幼稚園の作品が「デジタルえほんキッズ賞」入選作品に選ばれましたね。

このえほんアワードには香川富士見丘幼稚園を卒園して、今、ビスケット塾に通っている小学2年生(1年生時に作成)の作品で応募しました。結果、二つの作品が入選作品に選ばれましたが、どちらもリレー絵本といって児童たちが1枚ずつそれぞれのパートを担当し、それらをつなぎ合わせ、ひとつのストーリーにするといったものです。児童全員で作成したものが選ばれたため、その喜びを児童全員で分かち合うことができました。今後も「デジタルえほんアワード」に参加していきたいです。生徒のモチベーションにもつながりますので。

東京大学大学院 情報学環・福武ホールにて開催された「第5回デジタルえほんアワード」の表彰式に参加した児童たち


「第5回デジタルえほんアワード」で入選作品に選ばれた「100匹のこぶた」

 

ー 親御さんとしてプログラミング教育をどう受け止めているのでしょう?

親御さんの反応はいいと思います。今のところ否定的な意見は受けていません。2017年8月19日に年長の園児向け親子ワークショップを開催しました。年長の全人数の約半分である30名近い園児が参加してくれました。参加いただいた園児の親御さんたちは今後、小学校でプログラミングが取り入れられることをご存じの親御さんが多く、『小学校に入学前にこういったワークショップを通じて、どういったものなのかを体験しておきたい』といった声が多かったことを反映させた形となります。

これから2020年にプログラミング教育が本格的に開始されます。他の教科と同じように算数が苦手、音楽が苦手、といった感じで中にはプログラミングが苦手というジャンルの児童もこれからでてくるかもしれません。よって幼稚園のうちから何らかの形でコンピュータに触れられるような環境が提供できればと思っていますし、『コンピュータを嫌にならないでね、コンピュータは楽しいものだから』といった想いが少しでも園児に伝わればいいと思っています。また卒園児向けに行っているビスケット塾に関しては『いつでも幼稚園に遊びに来てね』という要素も含まれていたりします。

 

ー 中山さんがビスケットファシリテータになって良かったと感じることは何ですか?

そもそも最初にプログラミングって言われた際に私自身は『…?』みたいな感じでしたし、『幼稚園で本当にできるのかしら!?』といった感覚ももっていました(笑)。私自身はコンピュータには疎い方でしたが、デジタルポケットの方々やビスケットファシリテータ講習を通じて様々な方々と関係性を持たせていただくことができ、人とのつながりが一気に増やすことができました。ビスケットを通じて自分が普段踏み込むことのない世界をどんどん知ることもできています。とても勉強になっています。私の幼稚園教諭としてのやりがいも変わったように思えます。2020年からのプログラミング教育必修化の影響を受けてか、小学校の教諭の方など、教育関係の方が当園のビスケットのワークショップを見学に来られる機会が増え、地域との関わり合いも増えてきていますので、幼稚園と小学校の地域交流の活性化に携われることができていることも嬉しいです。

 

ー 今後のビスケットファシリテータとしての中山さんとしての目標や活動指針を教えてください。

ビスケットが子供たちの楽しい思い出として残ってほしい、というのが一番の私の想いですが、これからあえてプログラミング的な意味合いをもう少し強めていくとしたら、ビスケットで遊ぶだけで終わるのではなく、『ビスケットで自分たちは何かを作っている』という意識を持てるような指導を強めていきたいです。

ただゲーム感覚で、これやったら動いた、という経験をすることも、もちろん素晴らしいとは思いますが、『それは勝手に動いたものではなく、自分が動かそうとしたから動いたんだ』といった感覚を大切にしてもらいたいという想いがあります。『ビスケットだけでなく他のことでも同じで、何もないところから自分で作っていくから何かができあがる』という気づきを大切にしてくれたらいいな、と感じています。園児や児童にはビスケットを通じてモノづくりの心というか自信をつけてもらい、自分の力の可能性に気づいてもらえるための支えになれればいいですね。

 

(Posted by Shinji Suzuki)


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